インバスケット演習で損するキャラクター

慎重な人

例えば部下の誰かが自信満々で提案をしてきました。

これまでアプローチを続けていたターゲットとは全く異なる層に向けた内容です。

思い切った価格設定と顧客ニーズを2段階掘り下げて導いたサービス品質との触れ込みです。

しかし、価格設定の根拠は不十分であり、試算のベースの数値の信頼性も見えません。

顧客ニーズの掘り下げは恣意的であり、2段階ではなく一部では3段階、4段階、別の領域にもスキップしています。

サービス品質を提供するためのリソースは外部頼み、継続性にも疑問符がつきそうです。

ただ、これまでと全く異なる層、その切り口は斬新で、自社でも他社でも見落としていたと唸らせるものがあります。

「私は今から出張なので、この提案についての良し悪しを示すことは困難です。お手数ですがマーケティング本部長にお考えをお伺いしておいてください。また、価格設定の根拠、サービス品質と顧客ニーズの関係性について帰国後、説明をお願い申し上げます。また、これらについてのデータは案件8で意見を上げている◎◎さんが持っている可能性があります。こちらも念のためご検討ください」

金の解答・銀の解答・鉄の解答では「銀と鉄の間の解答(理解はセーフかな?)」になります。

思いやりのある人

例えば部下の誰かが仕事への悩みを打ち明けてきました。

これまでそんな話をしたことがない相手です。

自分は今から出張するところ、相当、追い詰められている様子が窺えるので、時間をとって真剣に聴いてあげたいとあなたは考えます。

「私は今から出張するところです。あなたの悩みはとても根深いようで、そして本当に悩んでいる様子も窺えます。なので出張から戻り次第、時間をゆっくりとって話を聞かせてほしいと考えています。あなたの予定に合わせます。社内での話が難しいのであれば、仕事が終わった後でもかまいません。ご都合をお知らせください」

金の解答・銀の解答・鉄の解答では「銀と鉄の間の解答」になります。

調和を重んじる人

例えば部下の誰かが提案をしてきました。

あなたがこれまで進めてきていた案件についての改善提案です。

内容は非現実的であり、リスクの検討も甘く、案件のこれまでの流れを断ち切るような意図も窺えます。

しかし、あなたを飛び越える形で担当部長から賛同を非公式に取り付けてしまっており、関係部門のキーパーソンとも意識合わせを終えているようです。

何よりその部下、敵に回すと厄介なタイプであり、ここは顔を立てておき、進行する中で自身の意図でチューニングするほうが上手くいきそうです。

「提案ありがとうございます。確かな内容かと思います。今後、この方向性を取り入れつつ案件を前に走らせていきたいと考えます。いろいろご協力をいただくことが出てくると思いますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。私はこれから出張です。帰国後、意識合わせを行いたいと思いますのでご都合をお知らせください」

金の解答・銀の解答・鉄の解答では「鉄の解答」になります。

インバスケット演習で得するキャラクター

慎重な人、思いやりのある人、調和を重んじる人が損するキャラクターとなるのであればシンプルに。

軽率な人、情け知らずな人、対立を重んじる人

意外とこんなキャラクターの持ち主が結果を残すのかもしれませんね…。