難易度の低いインバスケット演習のほうが難易度が高い?

難易度40から難易度300のインバスケット演習が揃ってます

みんなのアセスメント・サブスク版では(見出しからのヘンな倒置法)

短めとなります。今回のコラムも。

さて、この難易度、一つの目盛りとして100が課長昇格の平均、150が部長昇格の平均とご案内をしており、やはり受講者の皆さんの関心や取り組みは「40からスタートして120まで頑張る!」「40・50・60を重点的に」「300のインバスケット演習は見たけど絶対ムリ!」など。

結果的に、難易度が低いインバスケット演習が大人気、難易度が高いインバスケット演習は閑古鳥といった状況にあります。伴って金銀鉄の解答も難易度が低いインバスケット演習はサンプル解答が数多く、難易度が高いインバスケット演習はサンプル解答数が少なくといった流れに、これがまた受講者の皆さんの関心や取り組みに偏りを生むとった悪循環に…。

これは弊社の都合の話なので本題に。このインバスケット演習の難易度によるもう一つの現象として以下が発生しております。

難易度が低いインバスケット演習は全体的に出来栄えがイマイチ、難易度がそれなりに高いインバスケット演習は比較的、出来栄えが良い

いくつかの要因があるけれど

基本的に難易度が低いインバスケット演習は、「案件数(ボリューム)が少なく、関連性が淡泊であり、問題が明確、そして問題のレイヤーは現場側、設定されている役職は若手クラスで現場寄り、業績責任あり、トラブルシュートの案件が多く、大きい仕掛けの策定は要求されていない」

こんな特徴があるかと思います。反対に難易度が高いインバスケット演習はこの項目の対極が特徴となります。

これを前提とすると、難易度が低いインバスケット演習は、内容的に簡単なので受講者の皆さんの解答が上に貼り付き易く、全体的に出来栄えが良くなるはずなのに、実際は真逆の傾向となっている…。

何が考えられるでしょうか。

・難易度が低いので、皆さん見くびって易い解答で良しとする。いわば手抜き。

・案件そのものがシンプルなので、皆さん複雑な解答を書き辛い。いわば役不足。

・命題が明確なので、命題に対する解答オンリーとなってしまう。いわば拡張意識の不足。

他にも要因はありそうですが、この付近で止めておきましょう。なんとなくこの3点が複合しているかなが結論です。

シンプルなインバスケット演習、難易度が低いなと感じたインバスケット演習

では受講者の皆さんに情報提供となります。みんなのアセスメント・サブスク版を含め、この難易度が低いインバスケット演習のアウトプットは、全体的な傾向としてそのレベルの分散が小さい、そして「えっ、この水準と範囲に解答が落ち着くのか」、つまり手抜きのような、役不足のような、拡張意識の不足のようなアウトプットが多発するということです。

なので、シンプルなインバスケット演習、難易度が低いなと感じたインバスケット演習に取り組む場合、あらためて注意が必要です。

注意すべき観点は3つ、【手抜きについては獅子搏兎】、【役不足については自己陶酔的に複雑化】、【拡張意識の不足については命題の上位変換】、これらを意識することがポイントです。

……獅子搏兎? 自己陶酔的に複雑化? 命題の上位変換?

では別の切り口でもう一点、みんなのアセスメント・サブスク版のeラーニングに格納してある「50 ロックホームセンター」は難易度が50なので下から2番目、そして今回のコラムのテーマ的にピッタリのインバスケット演習です。そう、難易度が低いインバスケット演習なのに全体的に出来栄えがイマイチ

易く・簡単な・命題に対する解答オンリーに皆さん陥っているような…

このロックホームセンターというインバスケット演習は、設定されている役職は若手クラスで現場寄り、あるホームセンターの支店長、なので当然、業績責任ありですが、特に皆さん命題に対する解答オンリーで、業績責任、つまり如何にして売上(利益)を上げるかという観点が全くない解答ばかりです。

しかし、これは当たり前といえば当たり前、この50 ロックホームセンターの案件は仕込みとして意図的に店舗におけるトラブルシュートばっかりなんですね。「人手不足」「レジが使えない」「個人用のメールアドレスに社内メールが転送設定」「スキマバイトアプリの使い方」「バイトさん同士の行き違い」「テナントさん同士の諍い」など。

なので、受講者の皆さん、その観点がすっぽ抜けたまま、案件1からトラブルシュートにせっせと励み、そして対処もバッチリと自画自賛、完全無欠のトラブルシューターと周囲に無視されてに陥っています。

このように、業績責任がある役割設定だけど案件内容はトラブルシュートが多いインバスケット演習の場合、差別化の一番のポイントとしては、トラブルシュートを進めつつも業績向上に向けた意識を持って、案件処理のどっかで問題定義、施策立案、アイデア出しとして織り込んでいくが該当します。ぜひ取り組んでみてください。

ちなみに、ご紹介したみんなのアセスメント・サブスク版のインバスケット演習 50 ロックホームセンターには、この完全無欠のトラブルシューターは登場しておりませんのでご安心ください。そしてご興味津々の方はよろしければご参加ください。