インバスケットでエラそうにすると?

役割としては上司だから

今回は年末仕様なので薄い内容でお願いいたします。

さて、インバスケットではエラそうな指示や依頼になっても仕方がないと思います。時間制約が厳しく、また、ある部門やある支店の責任者という設定なので、指示や依頼の相手の多くは部下という状況、つい命令に近い雰囲気になってしまっても、その一つの指示や依頼でダメを出すことは当然ありません。弊社の人材アセスメントの場合は…。

ただし問題が一つだけ。あるインバスケットで指示や依頼の相手が部下だけという場合は限定的なので、上層部や外部関係者には当然、敬体で丁寧に依頼を送ります。そこで部下に対しては常体で命令に近い雰囲気での指示や依頼となると、二面性があることを疑われたり、上層部にはお世辞なのかと勘違いされたりする危険性があります。

それではと特に上層部に対して常体で命令に近い雰囲気で指示や依頼をすると、別の観点でアセッサーに疑われます。一匹狼を気取る拗らせ屋なのか、マナーを知らない調子外れな人なのかと。

なので、インバスケットの指示や依頼は相手の属性に関係なく、敬体で一般的な丁寧度でが基本となります。相手によってこの目盛りを考えるだけでロスとなりますからね。

この付近についてではなく

さてここからが今回のテーマの本線となります。

インバスケットの指示や依頼の外形ではなく、中身がエラそうに映ることはやめましょうとアドバイスさせてください。

「自慢話?」「人生訓を交えたソフトな説教?」「自分の権限についての大吹き?」

こんなものは言うまでもなくになります。書いてしまったらかなりの確率でアセッサーから疑われます。

中身がエラそうに映る指示とは【そんな難しいことを部下に丸投げするな】です。

・クレームの要因を分析して再発防止策を3日以内に考えておいてください。効果性が高いことは当然ですが、実施に向けたコストは抑える必要があります。できれば再発防止策は2つ以上、うち1つは試し打ちも済ませておいてください。その報告書もあわせて提出してください。

・業績低迷の原因が従業員マニュアルの内容に関係しているかを分析しておいてください。もし関係があるようであれば従業員マニュアルの見直しを済ませておいてください。私が帰国するまでの1週間でお願いします。

いかがでしょうか。最近、見かけた中身がエラそうに映る指示を例示してみました。一部の方々では「分析力が高い」「計画性がある」「洞察力が抜きん出てる(笑)」と絶賛好評中ですが、これぞ正に一般論の代名詞であり、「難しいことを部下に丸投げしている」として評価され難い内容となります。そうは言っても「難易に関係なく部下に丸投げしている」よりもわずかですが高めの評価にはなりますが…。

どうすれば?

部下の立場で指示や依頼を検証してみてください。「日程的に無理」「難易度的に無理」などいろいろ出てきますが、最たるものは「だったらアンタがやってみろ」と言いたくなったら「難しいことを部下に丸投げしている」とみなしてOKです。つまり、一般論であれこれ講釈たれてるけど言ってる本人がよく分かっていないということです。なので見直しの方向性としては、「分析しておいてくださいではなくて自分が分析する」「考えておいてくださいではなくて自分が考える」がポイントです。

インバスケットの作成者としても、その案件で受講者の皆さんの分析力や考える力を確認、評価したいがために、そのような指示や依頼となるよう案件をセットしている訳なので、そこのところを丸投げしていると、「あ、分析ができなかったのね」「ハイハイ、考えがおよばなかったのね」と安心して低く評価することが可能となります。

つまり、部下に対してエラそうに考えろ、分析しろ、アイデア出せと指示をしたくなった皆さんは、部下に代わって自分が考えたり、分析したり、アイデアを出したりすることでアセッサー側からは一定の評価を得ることに!

この観点ですが、かなり多くの受講者の皆さんが勘違いをされているところなので注意が必要です。