合否に関係はないけれど
フィードバック面談での所作について
季節的にコラムを書く時間が取り辛くなるこの時期ですが、久しぶりに軽めの内容でお願いします。
おかげさまでサブスク版の会員様も爆増で、多くの受講者の方に日々、インバスケット演習のeラーニングや合格セミナーをご活用いただいております。その流れの中、受講者の方からの質問も広くいただいており、可能な限りご対応をさせていただいております。
この受講者の方からの質問ですが、ほとんどが想定内に収まるものばかりですが、今回は少々、悩んだ内容であったため、ご紹介させていただければと…。
「フィードバック面談で高い評価を得るためには?」
想定外で予想外、これまでにない斬新な観点であったため、口ごもってしまったのですが、あらためて考えると以下のようなことも実際にはあったのかもと…。
あ、ちなみにですが、フィードバック面談とは2日間、3日間で実施される昇進昇格アセスメントの最終場面で、受講者の皆さんとグループ担当のアセッサーが15分~30分、1on1を実施するもので、ポイントは受講者の方に対して今回の人材アセスメントの第一段階での結果である「強みのコンピテンシー」や「改善点のコンピテンシー」を伝えつつ、受講者の方に全体の感想を伺ったり、今後の能力開発の方向性についてアドバイスを行ったりするところにあります。
閑話休題、あらためて以下のようなことですが、「フィードバック面談の所作によって受講者の方の既に固まった評価点を思わず下げたくなったことあるかも!」
これがまた不思議な話で、評価点を下げたくなったことはあっても、評価点を上げたくなったことは極めて少ないかなと…。すると、やはり「フィードバック面談で高い評価を得るためには?」でなくて「フィードバック面談で固まったはずの評価点を下げられてしまう恐れがある所作は?」、この質問は意味は多少、違いますが、意義はある程度あると思われますね!
こんな発言に注意
困ったなーと思う発言は人材アセスメントの構造、これに対する疑問というか批判というかが含まれているものになります。
・面談演習、あんな部下、現実にはいませんからね
・インバスケット演習、最近、手書きで何かを書く場面はないから
・グループ討議、机をハの字に開いてムービー撮って情報が足らないテーマで議論、あれで何がわかるの?
そして暗黙で言いたいことは、なので「持ってる力が十分に発揮できなかった」に着地することになります。
困りますよね…。それをお話されても評価点は出てしまっているし、それ以前に、だから忖度しろなのか、考慮してほしいなのか、言い訳的なものなのか…。
この手の発言に対してグループ担当アセッサーはおそらく笑みで真剣に対応を図るものと思います。しかし内心では「受講者の方、全員同じ条件なのにね」「それは人材アセスメントの構造・本質なので言われてもね」「なぜそのような構造なのかオリエンテーションで説明しているはずなのに」と…。表には口には出さずですが実はねとなりますので注意されてもいいのかなと思います。
他に、困惑はしないけれど、そこかなーと思う発言はこんなところでしょうか?
・インバスケット演習は時間が足らなくて
・面談演習はインバスケット演習の最中なので切り替えが難しくて
・グループ討議はカメラが気になって
・方針立案演習は今の仕事からかけ離れているので
・プレゼンは緊張しやすいので
・人材アセスメントに慣れていないので
・最近、仕事が忙しくて十分に休めていないので
・研修室の空調が暑すぎたり寒すぎたりだったので
この手の発言に対してグループ担当アセッサーはおそらく笑みで真剣に対応を図るものと思います。しかし内心では「受講者の方、全員同じ条件なのにね」
そして「言いたいことは持ってる力が十分に発揮できなかったってこと?」
さて、この後、強みとか改善テーマの発表となりますが、強みはまだOKですよね。そんな逆風の中でもこのコンピテンシーやこのディメンションは力を十分に発揮できたわけなので。
一方、改善点についてはどうでしょうか?
このコンピテンシーやこのディメンションが改善テーマになった理由や今後の能力開発の方向性として、「速読しましょう」「マルチタスクに慣れましょう」「カメラ撮影に慣れましょう」「他の業種業態の知識を仕入れましょう」「緊張しないためのお札を額に貼りましょう」「人材アセスメントを来年も受けましょう」「少しノンビリ休みましょう」「恒温動物のアニマルプリント柄の衣装を着ることを推奨します・早変わり衣装で受講しましょう・暑い寒いをアセッサーや事務方に言いましょう」
何をか言わんやですね。
もしかして合否に関係するかも?
2日間~3日間の昇進昇格アセスメント、そしてフィードバック面談が最終場面に実施の場合、逆に言いたいことを言っても問題ないと考えます。ただ、事後修正の可能性もあるので、ここまでのトーンでの発言は抑えるほうが得策ですね。
しかし、1日間で実施する昇進昇格アセスメント、そしてフィードバック面談が最終場面に実施の場合は、その後、グループ担当のアセッサーが1次評価を固め、その日の深夜に評価会議が実施されます。
当然、フィードバック面談での所作、お口の振る舞いには激しく要注意です。
観点はグループ担当のアセッサーから「みんな同じ条件で受講してますけど?」「それいわれちゃうと能力開発に向けたフィードバックができなくてね」と思われないようにとなります。ご注意ください。