面談演習で部下を褒める必要はない?

29年間の経験の中で…

試算してみます。1998年に初舞台を踏んで以来、面談演習で自分が部下役を担った受講者の方は年間平均で約300名、これまで約8700名の上司から面談演習の場面の中で挨拶されたり、説得されたり、説教されたり、ヒアリングされたり、コーチングされたりしてまいりました。

その中で、ありそうでなかった「されたり」は「褒められたり」です。肌感覚と目分量で5回に1回、つまり面談演習の冒頭、導入部分で部下を褒める受講者の方は5人に1人。6人グループに1人がいるかいないかといった感じです。

例えば、面談演習のケーススタディに以下の記述があったとします。

松浦はSP(セールスプロモーション)や消費者心理に関して広くかつ深い知識を有していることはもとより、クライアントと外注先(デザインハウスや中小の広告代理店)の間で両者の調整を図るスキルも高い。加えて、チームの後輩の面倒見もよく、部内のグループ長や他のチームリーダーからの評判も抜群である。営業センスも兼ね備えており、将来のSP部門を担っていく人材と思っていただけに正に青天の霹靂であった。

「松浦さん!知識も豊富で評判も良いと聞いています!これからも頑張ってください!!」

「周りからの評判も良く、今後もさらに活躍が期待される逸材です!」

「将来は部門長間違いなしの出世頭ですね!私なんかアッという間に追い抜かされちゃいますねゲハゲハ!」

中には褒めているのかいないのかって昭和の受講者の方もいらっしゃいますが、令和のご時世、未だに「部下を大袈裟に褒める」にとらわれている方もいらっしゃいます。

今から29年前、面談演習では褒めることにとらわれている方が、遠い記憶と懐かしい思い出と肌感覚と目分量で5回に2回程度はあったようなですが、月日は流れ、今では半減といった状況です。

同時に、「何だか薄っぺらいアイスブレイク」も29年間の月日の中で半減しております。

なぜ半減してしまったのか?

そもそも当時、部下を大袈裟に褒めたり、薄っぺらくアイスブレイクをしたりだったのかが不明確ですが、あらためて考えると、人材アセスメントの面談演習で、このようなアプローチを図っても全く効果がなかったことが、無意識のうちに広まっていったことが要因とも考えられます。

全く効果がない、つまり人材アセスメントの中でのビデオフィードバック、結果を伝えられる個人別フィードバック面談、終了後に届くフィードバックレポートなどで、頑張って取り組んだ大袈裟な部下への称賛、薄っぺらいアイスブレイクが完全スルーされてしまう日々が29年間も続けば、そりゃ受講者の方の界隈も「何だか変だね?」と気づいて当然かと…。

今では、このような受講者の方をお相手に面談演習にアセッサーが取り組む場合、共感性羞恥って奴に直面する若手アセッサーも多く、完全スルーどころかマイナスにとってしまう若手アセッサーもチラホラと…

それでも部下を褒めてほしい!

話の流れからすると、「面談演習の冒頭、部下を褒めることはやめましょう」になって当然ですが、今回は逆張りでの提案となります。「それでも部下を褒めましょう」と。

今回の提案、「それでも部下を褒めましょう」ですが、背景として以下は全く関係ありません。

・社内勉強会で上司が「スタート時に部下を褒めることが基本」とアドバイスがあった

・コーチング関係の本で「面談開始の際は部下を褒めることが基本」と書いてあった

・ヒューマンスキル系の講師から「面談開始の際は部下を褒めることが人間関係の基本」とアドバイスがあった

・昨年合格した先輩から「スタート時に部下を褒めたことが合格のポイントだった」とニヤニヤされた

さて、今回の提案、「それでも部下を褒めましょう」の目的は、アセッサーとの対立関係を抑制することにあります。人材アセスメントの面談演習は、受講者の皆さんが上司、アセッサーが部下といった設定で、基本的に意見の違いがあってアセッサーとは対立関係が発生します。

これによって受講者の方は面談演習の冒頭、部下を褒めたり、アイスブレイクをしたり、何とか対立関係の発生を抑え、良い雰囲気の中で面談演習を進めようと踏ん張ります。ただ、先に述べたようにアセッサーには全く刺さらないどころか完全スルー、もしくは共感性羞恥の槍玉になってしまっています。

完全スルーや共感性羞恥の槍玉にならない「部下への称賛」とは??

もうお分かりですよね。そうです、とってつけた褒めたりではなく、心を込めて真剣に真摯に直向きに全力で褒めるってことを心がけてください…

えっ? それだけ? ここまで読んでそれだけ?

続きは合格セミナーの中で、トレーニングとリハーサルを通じて体得なさってください。