上司からのアドバイスは効果的?

人材アセスメントの受講準備

今回のコラムも短めです。

人材アセスメントのアセッサーとして仕事を始めた1998年ごろはこの人事施策の認知度は低く、昇進昇格制度に取り入れている企業さんも少なく、「人材アセスメント?」「ヒューマンアセスメント?」「アセッサー?」といった状況であり、当然、受講者の皆さんも素のままで受講される方がほとんどでした。

面談演習の最中にキレる方、インバスケット演習で部下からのメールを読んで「そんなことは自分で考えて自分で解決しろ」と25案件に書き殴った方、そして方針立案演習のプレゼンテーションはOHP(オーバー・ヘッド・プロジェクター)でした…。

そして、時代は移り変わり、令和の今では事前の準備、トレーニング、対策をせずに人材アセスメントを受ける方は体感的に10%を切っているかなと。OHPのことを知らない受講者の方も増えているのでしょうか…。

受講準備の際の情報ソース

現在では人材アセスメントを受講した経験がある方、インバスケット演習に取り組んだことがある方が述べ何百万人単位になっていることもあり、人材アセスメントに関係する情報もあちこちで、公式非公式問わず、戯言から信頼性高くまで飛び交っています。

そのような中、受講準備の際の情報ソースとして大多数を占めるものが「上司からのアドバイス」です。やはり日常的に一緒に仕事をしていることもあり、内容は別としてアドバイスをしやすく、そして受け入れやすくとなっているようです。

ところがその内容について踏み込んで確認すると怪しいものが大多数です。

その上司はとりあえず人材アセスメントを受講し、上司というポジションについている訳なので何らかの自信があり、日常から自分の経験談を含めた考えを部下である受講者の方に伝えている、その景色も上司自身の自負につながっていると考えられます。なので部下のあなたが人材アセスメントを受講する際、「こうすべき」「こうしたら」「こうしなさい」などと積極的に外れたアドバイスをしてくれることが多くなっていると考えられます。

日常の仕事や業務、専門的な分野のアドバイスであれば

上司からのアドバイスは積極的に受け入れたり、肯定的に受け止めたり、そして取捨選択をして取り入れて仕事や業務に取り組むべきです。上司もあなたもその道の専門家な訳ですから。専門家でなかったとしても、その仕事や業務の試行回数は千回単位、一万回単位であり、その中での経験則という名の規則性は成功確率を高めるために十分に機能すると考えられます。

しかし、人材アセスメントについてはどうでしょうか?

上司の試行回数は1回か2回、逆に「課長昇進試験を5回も受けた私だから経験豊富、なので私の体験談からのアドバイスはとっても役に立つよ」と笑顔で言われると逃げ出したくなる方も多いのではないでしょうか。

そして信頼する尊敬する上司からのアドバイスを受けるあなたも課長昇進試験は初めての経験、とても美しい景色とは言えません…。

上司からのアドバイスが「他の情報ソースについて」である場合

上司からのアドバイスが「この本が役に立って」「このサイトに書かれた内容は分かりやすかった」であれば比較的、受け入れても問題ない内容かもしれません。

ただし、今度はその本やサイトの発信責任者の試行回数が重要になってきます。別の見方でその試行回数が1回~2回であったとすれば、試行回数が1回~2回の上司と同じな訳です。

そしてその試行回数が十分の発信責任者が、体系的に考えを発信しているかを検証する必要があります。

「面談演習は受容が大切」「グループ討議は最初に時間配分を提案」「インバスケット演習は挨拶を丁寧に書いて優先順位を意識して」など日替わり弁当のような戯言ばかりであれば、試行回数1回~2回の上司のアドバイスのほうが有益です。受講者のあなたの日常にいるので、あなたの得手不得手に合わせたアドバイスができる可能性があるからです。

同時に「コーチングの大家」「グループ討議の専門家(?)」「インバスケット演習のプロ」「戦略立案のコンサルタント」が本やサイトの発信責任者であり、試行回数十分であれば信頼に値すると思います。

え? 信頼に値するの?

あなたがコーチング、インバスケット、戦略立案のコンサルタントになりたいのであれば信頼に値すると思います。けれど射的はそこですか?

人材アセスメントに合格したいのであれば、まずメインの情報ソースとして何を採用しますかが今回のメインテーマなります。奥ゆかしいクロージングで申し訳ございません…。