インバスケット演習の他者評価と自己評価

はじめに

ここ数週間、企業さんの昇進昇格アセスメントを担当していました。

今回の受講者の方の特徴としては思考、いわゆる「考える力」が確かであり、特にインバスケット演習の内容が素晴らしかったと思います。

また、他の特徴として善し悪しの見極めに長けており、カリキュラムの中にある「総合振り返り」、そしてその中の「他の人のインバスケット演習を評価する」というセッションが盛り上がり、同時に有意義なものとなっていました。

その際ですが「他の人のインバスケット演習を評価する」ことに長けている受講者の方は全体的にご自身のインバスケット演習も確かであり、逆の受講者の方はご自身のインバスケット演習はもう少しといった傾向がありました。

インバスケット演習を他者評価をしてみる

この傾向、当たり前と言えば当たり前ですが、逆の受講者の方に目を向けていると、「他の人のインバスケット演習を評価する」という時間を過ごすうち、ご自身のインバスケット演習のアウトプットも確かになっていました。

「評価する」「評価される」-それを繰り返すことで、議論を進めることで、やはり他の受講者の方の思考プロセスを取り入れたり微修正したり、その思考プロセスが確かなものになっていくんだなをあらためて実感した次第です。

インバスケット演習を自己評価をしてみる

この効果的な他者評価ですが、昇進昇格アセスメントの場、その以外で実践することは意外と難しく、業者が開催する個人向けのセミナーくらいしか頼るものはありません。

そこで推奨したいものは自己評価です。

自分のインバスケット演習の客観的な観点から検証、そして評価してみる…。

どう考えても無理かもしれません。

一方、考え方を変え、善し悪しを検証、評価するのではなく、「指示を受けた立場(部下など)から検証、評価する」にしてはいかがでしょうか?

・その指示(もしくは示された結論や考え方)に納得できるか

・その指示を踏まえて実際に動くことができるか

他にも観点はありますが、まずはこの2点からのアプローチを推奨します。

インバスケット演習を自己作成をしてみる

時間がある受講者の方への推奨ですが、自分でインバスケット演習を作成してみると景色が変わってきます。これは間違いないです。

思い起こせば今から23年前の梅雨時、当時、人材アセスメント事業を始めて2年目の私はある壁に突き当たっていました。

「思考に関するコンピテンシーの物差しが確立しない」

あるインバスケット演習では「理解」がしっかり観察できるのに、このインバスケット演習では「理解」について観察眼が鈍ってしまう…。

あるインバスケット演習では「分析」と「大局」が難なく評価できるのに、このインバスケット演習では「分析」や「大局」が見えてこない…。

今も昔も自惚れが強い私なので、自分のアセスメント能力が低いとは0.01ミリも反省せず、「これはインバスケット演習のケースに問題がある」と他責の塊でした。

そこで当業界で信頼できる方にご相談したところ、「じゃあ、YOU、インバスケットつくっちゃいなよ!」に近い雰囲気でアドバイスを受けて早速、作成を開始、そしてその方のご厚意で企業さんの昇進昇格アセスメントで使用することになりました。

使用した結果は自分の中では大満足、想定幅の上下に受講者の方のアウトプットが収まっていくことの快感と、上回る下回るアウトプットが出たときの驚き、そしてアセスメントの物差しの修正、一つひとつが血肉となっていくことを経験させていただきました。

受講者の方がインバスケット演習を作成することのメリットと、私の経験とは多少、差があると思いますが、それでもインバスケット演習を作成すると、「理解」はどこで見ようとするのか、「分析」とはそもそも何か、「計画」を高く評価するための解答をどう用意して、そのためにどのような与件文章にするのかなど、こちら側の視点や意識が身に付いてきます。当然、それは自分がインバスケット演習を受講するときの大きな武器になることと確信します。

みんなのアセスメント・サブスク版での取り組み

インバスケットeラーニング、金銀鉄の解答、インバスケット演習の合格セミナーを活用することで「インバスケット演習を他者評価をしてみる」については、比較的、簡単に取り組むことが可能です。

一方、「インバスケット演習を自己評価をしてみる」については、なかなかハードルも高いので、ご自身では難しいことも事実ですが、この付近をテーマとしたインバスケット演習の合格セミナーも開催してまいりますのでご期待ください。

「インバスケット演習を自己作成をしてみる」、これは相当、難しいと思いますが、挑戦してみようという受講者の方、ご連絡をお待ちしております。

なお仕上がったインバスケット演習は高値買取をさせていただければ幸いです…。