インバスケット演習はフリースケーティング?
ショートプログラムは?
2025年6月、立て続けにサブスク版のケーススタディをアップしました。自分自身も担当者も混乱しているので以下、簡単に…
・ 6月5日 方針立案演習 難易度500
・ 6月9日 ミニケーススタディ 難易度の設定なし
・ 6月9日 インバスケット演習 難易度70
・ 6月10日 方針立案&意思決定演習 難易度500
この4本のケーススタディを短期間にアップした背景は、当然、受講者の皆さんからリクエストがあったからです。
・この秋に会社で実施予定の昇進試験ではミニケースが出題されるらしい。よろしく。
・サブスク版のインバスケット演習は難易度が高すぎる。会社の管理職テストは難易度60から80程度なので、その付近のインバスケット演習を充実してね。よろしく。
・去年の部長試験では方針立案とインバスケット演習のハイブリッドタイプ「方針立案&意思決定演習」が出てきて全く対応できなかった。今年は準備万端としたいのでよろしく。
・今月末だよ会社のアセスメント、方針立案演習をもっとリハーサルしたいけど、ビジネスケースタイプが少ないじゃん。急いで作成してね。よろしく。
このような理不尽で身勝手なリクエストにも誠実に対応させていただく姿勢が、弊社の強みなのかもしれません…
受講者の皆さんにとって身近なケーススタディは?
やはり、インバスケット演習かと存じます。ここでの詳細な説明は割愛しますが、多くの企業で実施されている人材アセスメントや昇進昇格アセスメントにおいて、中心的なケーススタディはやはりインバスケット演習です。そのため、サブスク版に格納されているケーススタディも、インバスケット演習は24本と、方針立案演習や方針立案&意思決定演習、ミニケーススタディと比較して圧倒的に多くなっています。
一方で、先に挙げた受講者の皆さんによる理不尽かつ身勝手な(?)リクエストにも見られるように、企業によってはインバスケット演習に加えて方針立案演習を実施するケースや、インバスケット演習の代わりに方針立案&意思決定演習を行うケース、さらにはミニケーススタディとグループ討議のみで主任試験を実施するケースなど、人材アセスメントの実施形態は非常に多様化しています。
では、なぜこのようなバラエティに富んだ状況になっているのでしょうか。その背景には、「各企業が求める人材像は一律ではなく、各階層で求められるマネジメントスキルやコンピテンシーが千差万別である。したがって、それらを適切に評価するには、広く一般的に用いられているインバスケット演習だけでは不十分であり、他のケーススタディを併用したり、代替したりする必要がある」というもっともらしい理由があります。
加えて、率直に言えば、弊社を含む人材アセスメント業者が差別化を図るため、「こんなケーススタディはいかがでしょうか?」と提案を重ねてきた結果、多様化が進んだ側面も否定できません。
前者でも後者でも被害を受けるのは結局、受講者の皆さんというわけで
もっともらしい理由にせよ率直な事情にせよ、最終的に人材アセスメント業者の「それっぽい提案」や「なんとなく格好良さそうなセリフ」に振り回されるのは受講者の皆さんです。本コラムは、そんな皆さんに対するささやかな謝罪の気持ちも込めて書いています。ご参考になれば幸いです。
とはいえ、あまりに多くの情報をここで公開してしまうと、サブスク版をご利用いただいている会員の皆さんから「おい、無料で情報をばら撒くな」とお叱りを受けかねませんので、ご紹介は控えめに、ほんの一部だけにとどめておきます。
さて、各ケーススタディの本質的な構造の違いについて、一言で表すなら「フリースケーティングかショートプログラムか」に集約されます。もちろん、これは二者択一ではなく、あくまで「程度の問題」です。以下をご参考ください。
ケーススタディ構造のイメージ
- フリースケーティング100%:「方針立案演習」
- フリースケーティング85%、ショートプログラム15%:「インバスケット演習」
- ショートプログラム60%、フリースケーティング40%:「方針立案&意思決定演習」
- ショートプログラム85%、フリースケーティング15%:「ミニケーススタディ」
このようなイメージになります。なお、この観点から人材アセスメントにおける「思考系ケーススタディ」を構造的に分類・分析したのは、実は弊社が世界で初めてです(弊社調査による)。したがって、これを業界のスタンダードとして今後も展開していきたいと考えています。
各ケーススタディのポイント
では、業界スタンダードを提案した先駆者でもある弊社が、そのメリットを最大限に活かすべく、「各ケーススタディにおけるポジショントーク」──いえ、「ポイント」について簡単にご説明いたします。
フリースケーティングでは、創造的であれ。
ショートプログラムでは、正確であれ。
この「創造的であれ」「正確であれ」という考え方は、各ケーススタディの網羅的な評価項目に直結するものではありません。むしろ、人材アセスメントにおける最大のキモ──すなわち「他の受講者との正の差別化」に直結する考え方です。
たとえば、フリースケーティング100%の方針立案演習では、ありがちな3C分析やSWOT分析に逃げ込まず、「創造的であれ」を旗印に、新規事業や新サービスを与件に縛られすぎず(ただし、次元や時空が逸脱してはNG)、自由な発想で提案できるかが勝負どころになります。
「では、ショートプログラム85%のミニケーススタディはどうすればいいの?」
「方針立案&意思決定演習は60対40って…また悩ませにくる絶妙な比率じゃないか?」
「インバスケット演習って、フリースケーティング寄りなの?」
ここから先の詳細は──申し訳ありません。
サブスク会員様から「おいおい、無料でそこまで教えるな」と怒られますので、ここまでとさせていただきます。