インバスケット演習での宛て先について

インバスケットグループ討議での一コマ

本日は短めの記事となります。

みんなのアセスメント・サブスク版でも、企業さんで実施する人材アセスメントでも、インバスケット・グループ討議という演習が実施されています。

人材アセスメントではグループ討議に大きく焦点があたりますが、「グループ討議で対人や資質を評価すると同時に、思考も一緒に評価できるのでインバスケットグループ討議を実施する」というアセスメント業者も中には存在します。

このインバスケットグループ討議での身の処し方についてはいつかの機会に…。一方、その議論の中で頻発する皆さんの疑問や悩みについて、今回は取り上げていきます。

インバスケット演習での宛て先についての考え方

通常、ある一つの案件についての討議時間は30分~50分に設定しますが、その中で受講者の皆さんが意外と時間をかけるテーマに「誰にメールを送るか?」が挙げられます。

「発信者であるAさんは当然で、念のため生産部門のトップにも伝えておくべきでは?」

「いやいや生産部門に送るのであれば販売部門も必要でしょう!」

「けれどAさんにメールすれば、そちらから生産部門の担当者には横通すはずでしょ?」

「いやいや不確定要素は排除すべきなんで、CCだけでも…」

「CCだと当事者として受け止めてくれなくない?」

後先が違います

先の議論を聞いて(見て)違和感を覚えた皆さんもいらっしゃるかもしれません。

「誰に送るかよりも、どう対応するかが先決?」

ある案件の内容が「お客様からのクレーム」だとします。皆さんがまず考えることは宛て先でしょうか?

おそらく多くの受講者の方は「どのように対応しようか」をまず考えるでしょう。

ある案件の内容が「生産管理部を通じて工場の空調設備の故障の連絡があった」だとします。

確かに宛て先を間違えると暫定措置の指示は届きませんが、それでも横展開先についてあれこれ考える必要性は薄いのではないでしょうか。

宛て先が議論になる原因

受講者の皆さんのインバスケットグループ討議を観察していると、宛て先が議論になる原因としては「議論が紛糾して内容が定まらない」があると考えられます。

ある方は顧客へのお詫びが大事、ある方は関連部門が総出で混乱を収拾すべき、ある方はマスコミ対応が真っ先に必要だと…。このように内容について意見が散らばると「では宛て先について考えませんか?」と助け船がやってくる感じです。

しかし、内容についての意見が散らばっているので、宛て先についても同じレベルで紛糾し散らばり、結果的に「宛て先についても議論が紛糾して内容が定まらない」に陥ります。

実際の評価はどのようになっているのか?

ここまではインバスケットグループ討議における宛て先議論の話ですが、受講者の皆さんがインバスケット演習で解答した際、その宛て先についてアセッサーがどう評価するかについては?

「CCを入れている」・・・無視

「一つの案件に数多くの宛て先、そして内容は異なっている」・・・成果担保に熱心、管理統制力は高いかなの仮説

「内容と宛て先が明らかに外れている」・・・理解力は大丈夫かな

「かなりの案件で上下左右にCCを飛ばしている」・・・ふーん

日常の仕事との違い

日常の仕事の中ではCCを含めて宛て先は大切かと思います。けれど日常の仕事の中でのメールと人材アセスメントのインバスケット演習のメールは意味や意図が大きくことなります。

日常の仕事の中でのメールは比較的イントロに近く、人材アセスメントのインバスケット演習のメールはメインに近い位置づけになります。

その違いを踏まえて対応することがポイントとなるでしょう。