グループ討議で使用するケーススタディ

グループ討議のケーススタディの区分

ご存知のとおり、人材アセスメントの各演習ではケーススタディを使用します。インバスケット演習でも面談演習でも方針立案演習でもグループ討議でも。

このケーススタディですが、各演習毎にタイプ・種類・特徴などで区分することが可能です。そしてその区分によって各演習の各ケーススタディ、対応方法というか攻略方法も変わってきます。

この付近についてもいつかご案内をしたいと考えておりますが。今回はグループ討議のケーススタディ、その区分をテーマにご案内をいたします。

グループ討議のケーススタディは2×2で区分が可能です。

配布されるシートに書かれている与件情報

個別情報か共通情報か?

グループ討議の結論導出へのプロセス

協創タイプか競争タイプか?

配布されるシートに書かれている与件情報

個別情報か共通情報かで区分されます。

個別情報とは文字通り、受講者の方それぞれに違った内容が書かれた用紙が配布されます。「あなたのグループの現状は〇〇です」「あなたの部下は〇〇さん、〇〇さんは入社4年目で…」「あなたがこの2週間に集めた〇〇に関する情報は以下のとおりです」など、そして受講者の方はその情報をベースに討議を進めます。

共通情報は全員に同じ内容が書かれた用紙が配布されます。その同じ内容について各々、意見を出し合い、一つの結論を目指して討議を進めていきます。

なお、個別情報については、配布される用紙の全ての内容が異なっていることはなく、討議の前提条件や命題などは共通であるため、厳密にいえば「共通情報+個別情報」となります。

グループ討議の結論導出へのプロセス

少々、分かり辛い項目ですが、全員の知恵と工夫によって一つの結論をより良いものにしていくプロセスのものを協創タイプ、一つ(あるいは2~3)の椅子に座ることを目指して各自が頑張っていくプロセスのものを競争タイプといいます。

協創タイプはコンサルタント会議、プロジェクトチームなどの役割が与えられ、あるテーマについて結論を導くことが命題、このような形をとることが多くなります。

競争タイプはある企業のある部門の責任者などの役割が与えられ、予算獲得や新入社員の獲得、部下推薦など、ある一つのゴールに向けて他者と争うことが多くなります。

2×2の区分ですが…

このような2×2の区分でグループ討議のケーススタディを考えると4パターンに区分が可能となりますが、現実には2つのパターンに落ち着くことになります。

・共通情報×協創タイプ

・個別情報×競争タイプ

共通情報で競争タイプ、個別情報で協創タイプも不可能ではありませんが、ケーススタディを作成する場合、かなり難易度が上がります。特に共通情報で競争タイプは全くイメージがわきません…。

2つのパターンのプラス面とマイナス面

このプラス面とマイナス面は受講者の方からではなくアセッサー側、つまりこの2パターンのケーススタディを使用してグループ討議を実施した場合の話となります。

【共通情報×協創タイプのプラス面】

・開始直後の各受講者の方の意見出しの時間が少なく、時間効率よく観察評価が可能

・思考面のコンピテンシーの観察評価がし易い

【共通情報×協創タイプのマイナス面】

・雑談やフワフワした議論に陥りやすい

・思考面に苦手意識を持つ受講者の方の発言が少なくなる

【個別情報×競争タイプのプラス面】

・対立状況が発生しやすく、同時にいろいろな局面が表れやすい

・資質面や対人面、思考面それぞれに持ち味があるいろいろな方が活躍できる場面が多い

【個別情報×競争タイプのマイナス面】

・開始直後の個別情報の共有化が長時間となりやすい

・多数決や何となくの雰囲気など、煮詰まってくるとシンプルな決定方法に陥りやすい

これを前提に受講者の皆さんは?

ここまでの2つのパターンのプラス面とマイナス面は、あくまで私たちアセッサー側からの話であり、受講者の方にとっては「だから?」になりますが、一方では、これを踏まえてグループ討議に取り組むと、討議を観察評価しているアセッサーからの好感度は多少、上がるでしょうか?

【共通情報×協創タイプのケーススタディでのグループ討議で】

・収束や拡散に向けたアプローチを積極的にとり、場面を大きく動かすことに貢献する

・思考面だけでなく、対人面や資質面のコンピテンシーを持ち味として強くアピールする

【個別情報×競争タイプのケース巣スタディのグループ討議で】

・開始直後の個別情報の共有化を効率的に進展させる

・自分が勝つことを目的とせず、決めるためのプロセスに向けたアイデア出しやプロセス管理の中心になる

グループ討議において受講者の方は「議論に熱中するあまり自身のプレゼンを忘れる」「良い結論(協創タイプ)や自らの勝利(競争タイプ)に過度にこだわる」に陥りやすく、冷静に戦略的にグループ討議に参加して自身の評価ポイントを高めることを忘れてしまう傾向にあります。

「グループとしての結論が確かだった(協創タイプ)」「自分の主張が通って予算を多く獲得することができた(競争タイプ)」、ここをゴールとして満足してしまう方、とても多いのですが、だからといって各コンピテンシーの高くなるかは別の話です。

おそらく他の受講者の方がそこをゴールとして頑張る中、横目で好感度アップポイントに励むことが差別化につながります。ご参考になさってください。

宣伝的に…

みんなのアセスメント・サブスク版ではインバスケット演習、面談演習、方針立案演習、そしてグループ討議のケーススタディを数多くご用意しております。

また、合格セミナーでは特に面談演習、グループ討議のケーススタディのタイプを意識した取り組みも実施しています。

グループ討議ではこれまでにないタイプのケーススタディをご用意しておりますので、興味を持たれた方はどうぞご受講ください。

【難しく考えなくてもOKのテーマと難しく考えてしまうテーマが同居している共通情報×協創タイプ】となります。