井戸端会議のグループ討議
井戸端会議は評価にマイナス?
ある受講者の方から質問がありました。
「社内でグループ討議の練習をした際、派遣された講師から【井戸端会議みたいなグループ討議では合格できない】とアドバイスがありました」
「グループ討議で井戸端会議にならないコツのようなものがあれば教えてください」
そもそも井戸端会議とは?
早速、検索してみましたが令和のご時世において口にできない内容だったため記述は控えますが、「目的やルールがなく、人の噂や世間話で盛り上がる日常的なコミュニケーションの場」と定義することが可能なようです。
その講師が何を問題視したのか不明確ですが、令和のご時世の定義によると以下がお気に召さなかったのではないでしょうか?
・目的がなかった
・ルールがなかった
・人の噂がテーマとなった
・世間話の雰囲気だった
・盛り上がった
・日常的であった
・コミュニケーションが図られていた
この付近をある受講者の方に確認したところ、「討議の目的(ゴール)は入口で決めた」「ルール(禁止事項)は講師から指示があって逸脱しなかった」「人の噂?」「盛り上がる場面もそうでない場面もあった」「コミュニケーションって?」
そうなると「世間話の雰囲気で日常的で」、この付近が問題視されたと考えてよさそうです。
そもそも世間話とは?
早速、検索をかけてみましたが「特にテーマがない、とりとめのない話」とされていました。何だか井戸端会議と変わりないようですね。
となると、1人~2人の場合は世間話、3人以上の場合は井戸端会議と無理に定義してみました。
最終的にその講師が問題視していたのは「日常的で」であり、グループ討議の所定のテーマについて、身近に生じた出来事のように話したり、身近での体験を例え話としたりがとても気になったということでしょうか。
グループ討議の所定のテーマについて
昇進昇格をかけた人材アセスメントの場、そのグループ討議の場合、所定のテーマが与えられます。このテーマですが構造的には2タイプ、「個別情報-競争タイプ」「共通情報-協創タイプ」が基本であり、ともに役割や場面が与えられます。
この役割は、ある会社のメンバーであったり、コンサルティングファームのメンバーであったり、この場面はプロジェクト会議であったり、定例会議であったり、なのでここまでの話題である「日常的に」「身近に」とはなりようがないといえます。
一方、これまで約6500回のグループ討議を実施・観察・評価してきた経験上、「日常的に」「身近に」となってしまっているグループ討議は数多かったような…。
・討議開始直後、本名や現実の所属部門で自己紹介を始めてしまう
・「弊社では」を枕詞にして現実の職場の問題を滔々と語ってしまう
・「ここの会社(ある会社のこと)状況が全く見えないので」「この会社の方向性が分からないので」と、ある会社のメンバーなのに第三者的に臨んでしまう
・「(ある会社の)自分の部下はこんな感じらしいです」と他人事スタンスで手許情報を開示してしまう
他にも「昨日みたテレビ番組の中の話題をアイデアとして活用してしまう」「自分の業務上の経験談を安易に活用してしまう」など、明らかにメタ情報をミスっている訳ではないにせよ、卑近に映る発言もかなりの確率で見られます。
インバスケット演習や面談演習では
このようにメタ情報を吹っ飛ばす受講者の方はあまりお見掛けしないのですが、グループ討議ではなぜでしょうか、メタ情報にズブズブ沼る受講者の方をあまりお見掛けしない、どころかほぼ全員が第三者的に冷静にのスタンスで討議に参画するケースが多いようです。メタ情報にズブズブ沼るのは恥ずかしいのでしょうか?
「グループ討議に際しては沼れ!」が今回のアドバイスではありませんが、その講師が問題視していた【井戸端会議】となる要因の一つとして「メタ情報からの距離」が挙げられることは経験上、間違いありません。なので、井戸端会議を回避したい受講者の皆さん、この「メタ情報への埋没」を十分に意識してください。
メタ情報の取り扱いについて
さて、グループ討議におけるこのメタ情報についてですが、他にも取り扱い注意の項目がいくつか存在します。また、【井戸端会議みたいなグループ討議では合格できない】について他観点から何点かお伝えしたいこともあります。
このいくつかや何点について、続きは次回のコラムでといいたいところですが、みんなのアセスメント・サブスク版ご利用者の皆さんからコラムであまり情報を出すな!と指摘されている関係上、この付近でストップさせていただきます。続きは合格セミナーの中での催促でお願いいたします。