インバスケット演習で合格するために

人材アセスメントや昇進昇格アセスメントにおいて、インバスケット演習の存在感はやはり大きなものがあるといった考え方が一般的になっております。

現実に私たちが人材アセスメントや昇進昇格アセスメントを運営する際、「インバスケット演習の内容が素敵な受講者の方=最終的な評価スコアが高い方」といった図式が頻発しております。

一方、これは「最終的な評価スコアが高い方=その人材アセスメントや昇進昇格アセスメントにおけるターゲットポジションに昇格する方」というシンプルな図式ではなく、結局のところ「インバスケット演習の内容が素敵な方=ターゲットポジションに昇格する方」でもありません。

ただ、巷では「インバスケット演習の合格講座」とか「インバスケットの効率的な攻略で昇格決定」とか「インバスケット演習トレーニングで仕事力アップ」とかの流言飛語が賑やかな状況です。

場合によっては、インバスケット演習しか実施しない人材アセスメント、昇進昇格アセスメントもあるので、必ずしも間違いではありませんが、「インバスケット演習の合格」という言葉の持つ意味は薄く、これを売りにしている諸々を見かけると疑問というか、よくわかっていない業者というべきか…。

弊社ではこの方向で常々考えておりますが、それでもセミナーなりオンラインアドバイスなりでは、インバスケット演習に力を入れている現実があります。

なぜ??

簡単にいってしまえば、インバスケット演習は内容的(出来栄え)に差が小さく、同時にハードルが高いコンピテンシーである思考的側面を主に評価する演習だからです。

人材アセスメント業者各社におけるコンピテンシー、そしてその実際の評価は3段階、5段階、7段階など様々ですが、思考的側面のコンピテンシーは基本的に「真ん中のスコア、マイナス1」がベース、対人的側面や資質的側面のコンピテンシーは「真ん中のスコア」がベースとなっています。

例えば5段階評価、思考的側面のコンピテンシーが3項目、対人的側面のコンピテンシーが3項目、資質的側面のコンピテンシーが3項目の場合、ベースとなる評価スコアは「思考的側面3項目×2=6ポイント、対人的側面3項目×3=9ポイント、資質的側面3項目×3=9ポイント」となり、合計24ポイントがベースとなる評価スコアになります。

そして実際に人材アセスメントを運営すると、不思議なことにこのベースとなる24ポイント付近に平均点が落ち着く結果になります。当然、人材アセスメントの評価結果だけで昇進昇格が決定される訳ではありませんが、一つの客観的なデータとして企業さん側では重宝されており、最終的に平均点(ベースとなる評価スコア)付近以下の受講者の方は昇進昇格の見送り、平均点(ベースとなる評価スコア)付近以上の方は晴れて昇進昇格といったところに落ち着きます。

なので結論はシンプル、ベースとなる評価スコアがマイナス1ポイントである思考的側面の各コンピテンシーで「2ポイントではなく3ポイントを稼ぐ」、イコール「平均点(ベースとなる評価スコア)付近以上の方に該当する」となります。

受講者の皆さん、インバスケット演習を頑張りましょう!