インバスケットの難易度について

ターゲットポジションの設定

今回はインバスケットを作成するときに、どのような流れで作成するかを簡単にご案内しながら、インバスケットの難易度についてご説明します。

通常、インバスケット演習を作成する場合、まずレベル感を設定します。このレベル感、いわゆる難易度はどの階層(ターゲットポジション)の人材アセスメントで使用するかを意味しており、弊社の場合、エグゼクティブクラス・ミドルクラス・エントリークラスに分けており、エグゼクティブクラス(部長~執行役員)、ミドルクラス(初級マネージャー~部長)、エントリークラス(新入社員~初級マネージャー)として位置付けています。

やはりエグゼクティブクラスの難易度が最も高く、エントリークラスの難易度が最も低くなりますが、各クラスの中でも差をつけるようにしています。

エグゼクティブクラスのインバスケットは基本的に「案件処理と方針立案」を命題として作成、ミドルクラスも同様、エントリークラスは「案件処理」を命題として作成します。

難易度を決定する要素

難易度の高低の味付けは各観点から実施していくものの、この命題の存在が難易度を決定する最初の要素となります。つまり「方針立案」を命題とするものは難易度が高くなり、「案件処理」を命題とするものは難易度が低くなります。

一方、この命題とされた「方針立案」ですが、ここも2つの方向性があります。一つは「方針が既に存在しており、その方針は前提として扱うべき」、もう一つが「方針が既に存在しているが、その方針は前提ではなく、そこにメスを入れるべき」となります。つまり「既存の方針は是、その運用面が問題となっている」、「既存の方針は否、その価値が問題となっている」、この場合、前者の難易度は比較すると低く、後者の難易度は比較すると高くなります。これは当たり前、つまり「既存の方針に照らして現場、組織の第一線で上手くいってないところを改善する」という場合と、「既存の方針をゼロベースで、あるいは一部を修正する形で新しい方針を立案しなければならない」という場合を比べると、平均的なマネジメントスキルを持つ私たちは前者のほうが簡単なミッション、あるいは日常的に対応しているため難易度が低くなります。

ここでまとめると、新規の方針立案を命題としたインバスケット > 既存の方針による問題解決や事案対応を命題としたインバスケット > 方針を意識することなく問題解決や事案対応を進めることを命題としたインバスケット、この構図となります。

難易度の設定により発生する問題

この難易度の定義、ここで大きな問題が発生します。

新規の方針立案を命題としたインバスケットですが、通常、案件処理で2時間、方針立案で1時間、計3時間の解答時間を設定しますが、何も考えずに(難易度の高低の他の味付けをしないまま)インバスケットを作成すると「難易度が高く、全ての受講者のアウトプットが低い位置に貼り付く結果となってしまう」に陥ります。つまり誰も解答できないインバスケットになってしまいます。

反対に方針を意識することなく問題解決や事案対応を進めることを命題としたインバスケットですが、通常、案件処理で1時間30分程度の解答時間を設定しますが、何も考えずに(難易度の高低の他の味付けをしないまま)インバスケットを作成すると「難易度が低く、全ての受講者のアウトプットが高い位置に貼り付く結果となってしまう」に陥ります。つまり誰でも解答できるインバスケットになってしまいます。

つまり、解答の良し悪しが分散しないインバスケットとなり、インバスケットの体裁は備えているが、人材アセスメントで使用するには堪えないものになるといった悲劇に直面します。

どうすれば?

難易度の高低を味付ける他の要素

難易度を決定する要素、そして難易度の高低を味付ける他の要素、この似て異なるものを理解しておくことは大切です。特に受講者のみなさんは。

受講者のみなさんが会社の人材アセスメントや昇進昇格アセスメントのインバスケットを受講する場合、当然、相応しいターゲットポジションが設定されており、その命題として難易度は自然と決定されています。エグゼクティブクラスのインバスケットは難易度が高く、エントリークラスのインバスケットは難易度が低くと。

一方、運営側であるアセスメント業者は用意するインバスケット、その中で難易度の高低の味付けを的確にしておかなければ、受講者のアウトプットの分散が過度に小さくなってしまいますので、まともなアセスメント業者であればどこかで難易度の高低の味付けを行っているはずです。いや、行っているんじゃないかな。ま、ちょっと覚悟はしておけ…。

なので、受講者の皆さんは運営側であるアセスメント業者が、どの付近で難易度の高低の味付けを行うかを知っておけば、難易度が高いものに的確に対応できる=インバスケットの評価が高くなるといった結果を手に入れることが可能となります。

ということで運営側であるアセスメント業者である「みんなのアセスメント」は、どの付近で難易度の高低の味付けを行っているのでしょうか?

それをこのままここに書いてしまっては何のメリットもないので…。続きはどこで?

気になる方は無料で受講できるセミナーにご参加ください。