上司が有利? 部下が有利?①

本邦初公開のお話です

本邦初公開となる人材アセスメント関係の内幕です。特に面談演習に問題意識をお持ちの受講者の方、必見となります。

上司が有利? 部下が有利?

「上司」と「部下」のどちらが有利かは、何について何をもって有利とするかによって判断が変わってきます。

例えば意思決定・権限について、最終的な決定権や指示権限を持っているという「権限の保持」では上司が有利、上司の意思決定に必要な現場の最前線の具体的な情報や実務の詳細を持っているという「情報の保持」では部下が有利といえます。

他、上司と部下がディスカッションする場面において、役職という形式的な立場で押せるといった点では上司が有利、状況によりますが客観的なデータに触れやすいといった点では部下が有利といえます。

何だか無理やり話をまとめていますが、通常のビジネスシーンでは「その時々でどちらかが有利かもしれない」という、曖昧な結論に落ち着きがちです。

この程度で「本邦初公開」とは恐れ多いので、さらに話を進めていきます。

面談演習における「上司が有利、部下が有利」

人材アセスメントの演習の一つとして実施する面談演習では、受講者の方が上司、アセッサーが部下、この設定で10分程度のロールプレイを行います。詳細設定はいろいろなパターンがありますが、「会社の方針に部下が従わない」「部下が問題行動を起こしている」「部下のモチベーションが低下、異動や退職を口にしている」、この付近が定番です。

そもそも背景としては、受講者の方が上司、アセッサーが部下なので評価をされる受講者の方が不利、アセッサーが有利、他にも10分間で準備をしなければならない受講者の方が不利、アセッサーが有利、このように「上司が不利、部下が有利」となることが面談演習の構造です。

このように「上司が不利、部下が有利」が面談演習の構造的な宿命ですが、このままで面談演習のケーススタディを作成・実施してしまうと、それはそれで問題が生じます。つまり、「上司を演じる受講者の方が下手から出てくる」「上司を演じる受講者の方が受動的になってしまう」「上司を演じる受講者の方が部下の話に進んで理解を示すようになる」「上司を演じる受講者の方が部下の意見に沿う形で問題解決を図る」、つまり面談演習の出来栄えという一次評価データがインフレを起こしてしまい、アセッサー側が評価をし辛いといった問題に直面します。

他にも、「上司を演じる受講者の方が部下の意見や主張、要望を受け入れることになると、面談演習の10分間の場を持たせることができなくなっちゃう」という低俗なニーズも一つとして挙げられます…

面談演習のケーススタディにおける「上司が有利、部下が有利」

そこで面談演習のケーススタディを作成する場合、「上司が有利、部下が不利」と映るような内容として、受講者の方(上司役)が元気良く、強引に、勘違いして、会社の手先となって、感情的に、無理筋で、部下の気持ちをガン無視して、的外れの説得をするようにしなければなりません。

「上司が有利、部下が不利」に映るような内容とするためには何が必要でしょうか? そうです。上司のあなたに正当性がありますよと裏付ける証拠物件が必要です。

・会社の方針だから
・常識的に部下の考えや行動はおかしい
・部下はもともと問題を起こすタイプ
・部下を説得しろということが自身の使命になっている
・部下の周囲も「部下がヘン」っていってる

こんな証拠物件を塗して塗して「上司が有利、部下が不利」を受講者の方に信じ込ませます。けれど面談演習の構造そのものはアセッサー側が有利なので、信じ込まされて説得に励む受講者(上司)の方の心を砕いていくアセッサー…。受講者の方はエンジンがかかり、必死に説得…。と、こんな感じで面談演習は進みます。

このように面談演習の構造としては「上司が不利、部下が有利」、それではマズイのでハンディを付け「上司が有利、部下が不利」、結局、「上司と部下は行って来いで有利不利はなし」が今回の結論ですか??

このような結論では、ここまで読まれた受講者の方も納得できるはずがないので、当然、話には続きがあります。

次回の本コラム、「上司が有利? 部下が有利?②」をどうぞお楽しみに!