人材アセスメントを実施するメリット

2010年以降、企業さんの人事施策として注目が集まっている人材アセスメントのメリットについて考えてみました。

一般論としては、いろいろと数多く挙げることができますが、本質的には「一度、あの人を試しに部長にしてみるか」を簡単にノーリスクでできることです。

例えば、私たちが車を購入する場合、マンションを購入する場合、ベンダーにシステムを依頼する場合、「試しに」ということはほぼ不可能ですが、車には試乗があり、マンションにはモデルルームがあり、システムでは類似のものの体験があり、この「試しに」についてのハードルを下げています。ただ、昇進昇格の場合は、この「試しに」の部分が難しいことが現実です。

人材アセスメントは、多くの対象者を仮に部長の立場において、業務上の問題について考えさせたり、部門の方針を立案させたりする構造です。

「仮にAさんが部長であれば、このような問題にこのように対応するのか、これは部長に相応しい対応だね」「仮にBさんが部長であれば、このような問題にこのように対応するのか。これは部長としてイマイチかもしれないね」のように「部長になったときのパフォーマンス」を事前に試しに確認できることが可能です。

人材アセスメントは「Bさんを部長にしたけれど、あまり良いパフォーマンスが得られなかった」、「ただ今更、降格させるのも難しいし」という問題を事前に防止することが可能となります。「新入社員として誰を採用すべきか」「誰がチームリーダーに相応しいか」「次のマネージャーは誰にするべきか」

このような「試しに」が難しい採用や昇進を「試すことができる」、これが人材アセスメントの一番のメリットです。これ以外にも「社内の人事評価の検証材料になる」「受講者の方のモチベーションアップにつながる」「埋もれていた経営人材にスポットライトが当たる」「組織の人事上の構造的問題が浮かび上がる」など、いろいろなメリットがあります。